キリコ
キリコのいわれ
キリコと呼ばれる御神燈は、能登の祭りのシンボ ルです。
大きなものは100人近い氏子衆に担がれ、
祭りの御神輿を先導します。
輪島に今も保存される古いキリコの一つは、4本
柱の高さが11m余、幅2m近く、全体に荘厳な装飾が
施されています。嘉永6年(1853)に鳳至町の
中島屋三郎左衛門家が製作したもので、このキリコ
を担ぎ出すと雨が降り出すとのいわれもあります。
キリコの始まりがいつ頃かは、定かではありません。
近年は仕舞われたままのキリコも多くなりましたが、
奥能登には大小8百本以上が今も保有され、180
地区で姿が見られます。キリコ祭りは能登人たちに
欠かせない、大切な宝なのです。
本来、キリコは笹ギリコと呼ばれる小さな姿が、次
第に大きくなったものといわれます。そこに巨大な
雄姿が競われ、総輪島塗で権勢を示す風潮が生まれ
ました。しかし、大正期から電線の高さに抑えられ、
大きなものでも往時の半分、6mほどになりました。
「若けえころは、5間も6間もあろうかっちゅう、
でけぇキリコを在所のおらっちゃで担いだちやあ。
それが自慢で、誇らしかったなぁ」