熊谷美術館
主屋をはじめ数多くの蔵や付属屋が建ち並んでいる。
主屋は切妻造り機瓦葺きで南面し、東側面に茶室、
式台等が突出する。平面は桁行を三等分して西側を
通り土間とし、床上部は梁間を四等分して入室が整
然と並ぶ。土間廻りはていねいに仕上げた太い梁を
縦横に架け渡し、豪壮な構成を見せる。大規模で質
が良く、意匠も洗練されており、江戸時代中期にお
ける地方豪商の富を示す好個の遺例であるとし、昭
和49年5月国より重要文化財として指定された。庭
園も市内屈指のものである。
建築後、建物の部分的な修理改造等はあったが、
主屋は、昭和52年11月3日不慮の火災事故により一
部焼損したのを機に昭和53年より2年半の歳月と1
億4千万円の工費を掛けて国家補助事業として解体
修理がなされ、又、離れ座敷、本蔵、宝蔵も、痛み
ってなったらたまった
が激しくなったので、同じく国家補助事業として平
成6年2月より、3年半の歳月と4億円の工費をも
って大修理が行われた。
目的
萩城下御用商人熊谷家から継承した江戸時代を中
心とする美術工芸品並びに町家民具類、その他の文
化財の保存及び公開をなし、もって我国文化の向上
発展に寄与することを目的とする。
事業
目的を達成するために次の事業を行う。
@ 美術工芸品、民具等文化財の保存並びに公開。
A 前項諸資料の調査研究。
B 前各項のほか目的達成に必要な事業。
収蔵品
@書画屏風類
雪舟と雪舟流雲谷派、狩野派、土佐派、南画、浮世絵、和
歌俳句、家元等茶掛、名士志士、萩関係等それぞれを代表
する人々の作品。約300点
A茶道具
萩、楽、唐津茶碗、仁清、乾山、木米の作品、その他全国及
び唐物陶磁器をはじめとして、香合、花器、風爐、釜、水指、
茶入、棗、茶均、菓子器、煙草盆等一切、約500点
B装飾用品 古銅香炉、料紙文庫、硯箱、軸盆、提重等の美術工芸品
約200点
C雑品 古銭、民具、食器、衣類、オランダ渡り陶磁器その他
約500点 5文書資料
熊谷家文書等 約1,500点 総点数 約3,000点
日本最古のピアノ(シーボルトがイギリスより持ってきたピアノ)
このピアノを見るため、東京から1000キロの旅をした。
熊谷家の4代当主が脚気を治すため、
萩から長崎にいるシーボルトを訪ねたことから始まる。
(写真は入館チケットより)