一乗寺下り松
一乗寺下り松
ここは、近江(現在の滋賀県)から比叡山
を経て京に通じる平安時代からの交通の要
衝で、この松は古くから旅人の目印として
植え継がれ、現在の松は五代目に当たる。
江戸時代はじめ、この地で、剣客・宮本武
蔵が吉岡一門数十人と決闘を行った伝説が
有名で、ここから東へ約三百メートルの所
にある八大神社の境内に決闘を見下ろした
という初代の松の古株が保存されている。
武蔵は決闘に向かう途中、同神社で神頼み
をすることを思い立ったが、神仏に頼ろう
とした自分の弱さに気付き寸前でやめたと
いう話もある。
平安中期から、この辺りにあった一乗寺
という天台宗の寺が地名の由来となった
が、南北朝の動乱以後に衰えて廃絶した。
傍らの記念碑は、大正十年(1920)
に広島県呉の剣士・堀正平氏とその妻に
より建立されたものである。 京都市 (説明板より)